訪問看護師は一人でお客様のご自宅を訪問するため、はじめは「サポート体制」「教育体制」に不安を抱く方が多くいらっしゃいます。今回インタビューしたKさんもその1人。 入社時に不安な時、業務中に落ち込んだ時、ソフィアメディの上司・メンバーはどのようにサポートをしてくれたのか。メンター制度や忙しい時期のチームワークとは?ぜひご覧ください。
※2021年11月時点の記事です。
お客様とじっくり関わるために訪問看護へ
─まずは、ソフィアメディで働くことになったきっかけを教えてください。
Kさん:元々急性期病院で看護師としては3年間勤務をしていました。3年間の一区切りということもあり、病院から一歩出て違うところでも働いてみたいという思いと、病院で治療した患者様・そのご家族の方の今とこれからにじっくり関わっていきたいという2つの思いから「訪問看護」を中心とし、転職活動を始めました。そのような中でご縁があり、ソフィアメディで働くこととなりました。
─病院からソフィアメディに転職し変化はありましたか?
Kさん:働き方が大きく変わりましたね。前職では、勤務形態が、日勤・夜勤や緊急対応とその月によりバラバラだったのですが、今は主に日勤になったので毎日決まった勤務時間内で働いています。ソフィアメディに転職してから俗に言う、”花金”を初めて経験しました(笑)
また、夜勤が続くと生活リズムの乱れから体調を崩すこともしばしばありましたが、今ではその心配もほぼなく、体調面もメンタル面もポジティブに過ごすことができており、家族からは「生き生きしてるね!」と言われることが増えました。
プライベートでも先日結婚をしたり、休日には友人と食事に行く機会も増えたので、そのような意味でも生活リズムが合うことはとても嬉しいですね。
─ 普段と特に忙しい日の1日の流れを教えてください。
Kさん:現在はコロナ禍で、基本朝自宅から訪問先へ直行しています。普段は、8:00に起床・準備をし、朝礼はzoomを活用したオンライン朝礼のため9:00に参加します。その後、午前中に2件訪問を行い、昼食をとり、午後に4件訪問を行います。全ての訪問が完了したらステーションに戻り、ケアマネジャー・担当医に日報のFAX送付や書類作成・また他のスタッフと情報共有を行い、18:00過ぎにステーションを出て19:00頃に帰宅します。事務処理対応のため、ステーションには1日1回は行くことになっているのでお昼休憩に戻ることもあります。また残業については、事務処理が終わらない場合は1〜2時間程度します。
一方、特に忙しい日は、定期訪問に加えて癌末期のお客様のご自宅には1日2回訪問が必要であったり、熱中症のシーズンには点滴が必要であったりと、訪問件数が多くなります。ただ、ソフィアメディのスタッフは全員とても人が良く、忙しくなってきても「みんなでこの繁忙期を乗り越えましょう!」と明るく言い合える環境があるので、忙しい時ほどワクワクしながら仕事をしていることがモチベーションに繋がっています。
高めあえるステーションメンバーと共に忙しくても明るく支え合い、乗り越える
─忙しくても明るく支え合えるような環境は元々あったのですか?
Kさん:元々の上司から学びました。その人は、すごく明るく、お客様のこと、チームメンバーのことを最優先に考える上司でした。彼から学んだことはとても多く、今の私を作ってくれた恩人です。
入社して一番初めに担当したお客様は、「難病」を患っていた方でした。当初、病院看護から転職をしてきた私はお客様に「治療」と言う目線で接してしまい、「お薬を飲めるように」「福祉機器を使えるように」と看護をしていました。しかし、なかなか思うような介入をすることができず、その上司に相談をしたところ「お客様がどのような生活をされていて何を望んでいらっしゃるか知らないと良い提案ができない。自分たちはその選択肢を考えて提案をしてさしあげることが大事」と言ってもらいました。その言葉がきっかけとなりお客様への接し方を変えたところ「私は何か手をかけてもらうのではなく普通に接してもらうことが一番心地よい、今の生活はね困ってないよ」と言われたのです。
それ以降、私はお客様のことを知ることを心掛け、普段の何気ない会話から選択肢を考え、提案をするようにしています。
─訪問看護未経験での転職。不安はありませんでしたか?
Kさん:私は病棟での勤務を3年間経験した後に訪問看護の業界に転職しました。訪問看護としてのキャリアがまだ浅く、1年目は特に不安が大きく悩んでいました。
その際、上司に「病院では神経内科、循環器などの分野がたくさんあるように、訪問看護は“訪問看護科”だと思って良い。新たなジャンルにチャレンジをしたのだから、みんな一からのスタート。また学び直していけば良い。」と言ってもらったことが心に残っています。それをきっかけに一から学びなおす覚悟をし、先輩の良いところを真似しながら習得していきました。
また、訪問看護で新人メンバーが抱く不安の一つが1人で訪問するために自分で判断し自己完結をしなければいけないという点です。ソフィアメディでは、メンター制度を取り入れており、新人メンバーは入社後しばらくの間先輩と一緒に訪問に同行し、その後独り立ちしていきます。私自身もそういったサポートがあり不安を払拭することができました。
─お仕事をする上で心掛けていることはありますか?
Kさん:お客様とご家族の方が選択された道を全力でサポートしていくということですね。在宅での療養を決める際、お客様やご家族の方々はとても不安でいっぱいです。ただし、そのようなお気持ちを私たちがチームとなってサポートしていくことで不安を少しでも軽減していきたいと考えています。
お客様がご逝去された後のグリーフケア(遺族の方々のメンタルケア)をしている際に「自分たちだけではどうしようもなかったけどソフィアメディの皆様に支えられた。ありがとうございます。」と感謝のお言葉を頂いたときには「この仕事に転職して良かった。これからもまた頑張ろう」という気持ちになりました。ご遺族の方々とは、思い出を偲びながら、少しでも元気を取り戻してもらえるような空間づくりをしていきたいなと思いました。
あとは、お客様の生活の大事なお時間を頂き、訪問させて頂いているので、ご不安にならないように丁寧に、こまめに連絡することや、各ご家庭の「おうちルール」も意識をしています。
例えば、車を駐車する場所や、家の中では紙の上にカバンを置くなどそれぞれのおうちルールはスタッフみんなで共有しています。
─お仕事のやりがいを感じた具体的なエピソードはありますか?
Kさん:一つ目が、難病を患っているお客様を担当した時のこと。
「病院だとこんな自由にできません。でもここはホームグラウンドだから」とおっしゃっていただきました。ご自宅だとすごくポジティブで素直な表情をしていらっしゃるお客様を見て、「もっとこの素敵な笑顔のきっかけを作っていくお仕事をしていきたい」と感じましたね。
二つ目が、骨折で入院後、帰宅をされた、とある年配のお客様。担当してから2年が経過する頃、私が「もうすぐ3年目ですね。あっという間の2年でしたね」と何気なく声をかけた時にお客様から「あなたたちと歩んできた2年だよ。自分だけじゃここにはいなかった。ありがとう。」と言っていただきました。1回の訪問が1時間、1週間にしても4回の訪問で合計4時間と接する時間というのは決して多くはないです。それでも訪問看護は、お客様の人生の一コマになれることが醍醐味であり、面白みだと実感した一件でした。
─最後に、訪問看護に興味をお持ちの方にKさんならどんなメッセージを送りますか?
Kさん:1人で判断をして1人で完結しないといけないことに不安を持つ方が多いと思います。
入社当初、私も不安でしたが何か困ったことがあった際は、夜間であってもその場で上司に電話をして助言をもらうこともできます。
そして何より、親身になって相談に乗ってくれる上司・メンバーがたくさんおり、実際の訪問は1人でも、気持ちは1人ではありません。
経験年数が浅いからという理由で踏みとどまっているのなら関係ないのでぜひチャレンジしてみて欲しいなと思いますね。