看護師
公開日:2024/09/12 最終更新日:2024/09/12
訪問看護が気になるあなたへ~訪問看護のやりがいを、訪問看護経験者の採用担当が語る~
訪問看護は、お客様のその方らしさやご家族の絆を感じながら、人生の最期まで寄り添うことができる特別な場です。そんな訪問看護に携わる中で感じるやりがいや学びを、訪問看護の現場も経験した採用担当の菊川がお伝えします。
私が訪問看護に進んだきっかけ
病棟で看護師として勤務していた中で、私が訪問看護に進んでみたいと思ったエピソードの1つに、ある患者様との出会いがあります。
その患者様はパーキンソン病が進行、誤嚥性肺炎が悪化し余命もわずかという状況でした。ご家族から「どうしても今日中に自宅に帰って、一目でいいから愛犬と会わせてあげたい」という強いご希望がありました。私たちはその願いを叶えるために、当日中に必死に調整を行い、たった3時間というわずかな時間ではありますが、一時帰宅を何とか実現することができました。
患者様は入院中、愛犬を思わせるぬいぐるみを常に抱いていらっしゃいましたが、外出時にはそれすら抱くのが難しい状況にまで病状は進行…。それでも、自宅に戻られた際の患者様の目の輝きと笑顔は今でも忘れられません。ご家族からも涙ながらに「この数時間が私たちにとって宝物です」と感謝の言葉を頂き、その光景が強く印象に残っています。結局、患者様は外出した翌日の朝に最期を迎えられましたが、しばらくしてソーシャルワーカーさんを通してお礼のお手紙もいただきました。
この体験を通じて、たった数時間でもご家族やペット、自宅という環境がその方をその方らしくさせ、力を与えることを強く実感しました。そして、いつか自宅で生活を支える立場として、その方らしい生活のサポートをしたいと強く思うようになりました。
訪問看護に挑戦してみて感じるやりがい
訪問看護に対する希望を胸に、一歩を踏み出しましたが、実際に挑戦してみると、道を覚えたり、保険制度を理解したり、お客様一人ひとりの特徴やケアを覚えるのに必死で、想像以上に大変でした。それでも、仲間やお客様、ご家族、地域の皆さんに支えられながら、少しずつ訪問看護にやりがいを感じられるようになりました。
訪問看護のやりがいを一言でまとめるのは難しいのですが、私が感じるやりがいは次のようなものです。
①訪問時間はその方のケアに専念できる
②創意工夫にわくわくする
③幅広い疾患への対応が、自分の成長につながる
④多職種連携で地域医療を一緒に支える仲間がいる心強さを感じる
⑤お客様との関係が深まり、もっと頑張りたいと後押しされる
⑥「生きる」をサポートできる喜びとお礼の言葉に心が温まる
①訪問時間はその方のケアに専念できる
病棟看護師のときにナースコールや多重課題で患者様との時間を十分にとることができない日も多くありました。訪問看護も予定通りとはいかないことも多々ありますが、お客様の訪問時間はお客様やそのご家族のことに徹することができるのは魅力だと感じます。
②創意工夫にわくわくする
お客様はそれぞれ異なるバックグラウンドや環境を持ち、使用できる物品や大切にしている価値観も、介護のサポート体制も様々です。その中でどうすればお客様やご家族がこれからも長く希望する生活を続けていけるかを試行錯誤する日々は、知恵を絞って新たに選択肢を導き出す力を求められます。教科書にはない創意工夫が必要で、時にはそんな方法があったのか!と目から鱗が落ちるような発見があり、わくわくする瞬間もあります。
③幅広い疾患への対応が、自分の成長につながる
お客様の年齢や疾患は多岐にわたり、病棟では関わることの無かった症状に出会うこともあります。勉強は大変ですが、知識を深めることでお客様や関連職種の方からの信頼を得ることができ、学ぶ意欲が湧きます。
④多職種連携で地域医療を一緒に支える仲間がいる心強さを感じる
自分一人ではすべてを網羅することはできませんが、リハビリ職含め、他職種の仲間と協力し合いながらケアを提供できることが大きな支えとなります。同じステーションのスタッフのみならず、ケアマネジャーや薬剤師、クリニックの先生などと連携しながら、お客様を中心に地域が繋がっていることを実感します。
⑤お客様との関係が深まり、もっと頑張りたいと後押しされる
お客様の中には長年にわたり訪問看護を利用される方もいます。お客様のご自宅で一緒に時間を過ごすうちにお互いのことを知り、関係が深まっていくと、お客様の存在自身も私自身にとって大きな力となります。
初めて受け持ちしたお客様が戦時中に疎開されていた先が偶然にも私の故郷で、お孫さんも私と同じくらいの年齢だったため、家族のように私のことを迎えてくださっておりました。私が少し疲れた顔をしているときは励ましてくださり、帰郷した話をすればご自身の学生時代のことをとても嬉しそうに話され、私自身もパワーをいただきながら訪問をしておりました。「また待っているね」が私の背中を後押ししてくれます。
⑥「生きる」をサポートできる喜びとお礼の言葉に心が温まる
訪問看護は日々「今を生きる」サポートをする仕事だと感じております。お客様の最期を見届けることもありますが、在宅でのエンゼルケアは笑顔が多いことが印象的です。故人を囲んで思い出を語り合いながら体を拭いたり、お化粧をしたり、一張羅の洋服を選んだり…。涙を流しながらも笑顔で最期を送るご家族の姿を見て、在宅で看取ることができて良かったと感じます。限られた時間しかサポートできていないにもかかわらず「皆さんのおかげでここまで来られました」と温かい言葉を頂くたびに、また頑張ろうと思えます。
まとめ
私は病院から訪問看護という現場に足を踏み出して本当に良かったと思っています。きっと訪問看護師一人ひとりが、それぞれのやりがいを感じていると思いますので、もし訪問看護師さんに会う機会があれば、訪問看護の魅力について聞いてみてはいかがでしょうか?少しでも訪問看護に興味を持たれたら、是非弊社の説明会やステーション見学、選考に進んでいただければと思います。皆様とお話しできる日が来ることを楽しみにしております。
この記事を書いた人
菊川 彩里
ソフィアメディ
採用グループ
プロフィール
急性期内科病棟や離島ナースを経験後、ソフィアメディに入社し訪問看護師として勤務。現在は訪問看護師経験を活かしながら医療職・総合職の採用を担当しております。
ソフィメディアでは在宅療養を日本中にゆきわたらせるため、
多様な強みを持つ、たくさんの仲間を募集しています。