訪問看護のソフィアメディ

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【セミナーのご案内】訪問看護ステーションにおける教育体制整備について

医療という正解のない看護・リハビリ実践を高めていくために、どのように教育体制や制度を整えているのか。

個人の仕事に対する価値観が変化してきていることやコロナ禍で見直された対面でできない教育等により、教育のあり方も変化し続けています。日々課題解決に向けて教育に関しては、どこの訪問看護ステーションでも抱えている問題ではないでしょうか。

2022年2月8日(火)はウィル訪問看護ステーション、WyL株式会社の代表取締役である看護師の岩本さんをお迎えし、ソフィアメディ株式会社の教育研修グループの吉江さん、大規模ステーション管理者の宮地さん、ソフィアメディ在宅療養総研所長の中川さんと訪問看護ステーションにおける教育体制の整備について、お話しいただきます。医療機関や介護事業所等で教育担当の方や管理者向けの内容となっております。


セミナー登壇者プロフィール

【セミナー案内】
イベントタイトル:訪問看護ステーションにおける教育体制整備について‐ラダー整備やOJTの仕組みについて‐
日時:2022年2月8日(火)18:30~20:00
方法:オンライン開催(Zoom)
参加費用:無料
申し込み:こちらからお願いいたします

セミナー開催に伴い、まずは教育体制に関する対談インタビューの場を設けましたので、そのサマリーをお届けします。対談はWyL株式会社の岩本さん、ソフィアメディ株式会社の教育研修グループのマネジャー佐々木さん、ステーション管理者の宮地さん、ソフィアメディ在宅療養総研の中川さんの4名から語っていただきました。


WyLとソフィアの教育体制の特徴について

岩本さん:WyLの特徴として、『教育』ではなく『学習』という言葉をよく使っています。臨床は自分で学びながらやっていくもので、半学半教の精神でお互いに教え合い、学び合うものだと思っています。

自分の学習や成長は自分で管理しようというスタイルをとっています。そのためにはまず環境があってこそ。学習できるコンテンツやフィードバック体制、はじめての領域でも一歩踏み出せるような安心感も組織として大事にしています。

とはいえ、看護師経験はあっても訪問看護は初めてという人も少なくありません。そのために、訪問看護師として基本的なステップを踏めるようにはしています。その先で自分のこれまでの強みを咲かせ、チームに貢献していってほしいです。

WyLはここ数年で事業所やフランチャイズも増えてきています。運営で大事にしていること、チームや個人としての振る舞い方などは、『ウィルの歩き方ガイド』としてマニュアルやラダーにも入れ込み、年に数回はアップデートしています。また、新人研修のOJTや学習コンテンツなどはパッケージ化して、どこのステーションでも同じ学習環境が整うようにしています。独り立ちする半年後くらいまでは細かくガイドし、それからはラダーに沿って看護実践や振る舞いなどを定期的に振り返っていく流れです。こうした運用がちゃんとなされているかを大事にしています。

WyL株式会社HP「教育・プログラム」のページより抜粋

佐々木さん:ソフィアメディでは2019年からさまざまなプロジェクトが動き出しました。ビジョンに向けて全国展開していくなかでしっかりと理念浸透させるために、VMS(ビジョン・ミッション・スピリッツ)推進プロジェクトが始動。現場のヒアリングを通していくつか教育の課題もみえてきました。

そこで、ソフィアメディで働くスタッフのスキルやスタンスを可視化しサービス水準を高めるために、ラダーを導入しました。職種ごとに細かく項目分けをし、看護師のクリニカルラダー(日本看護協会版)や滋賀県看護協会が出している訪問看護ステーション向けのステップアップシートの仕組みを取り入れています。

また、ソフィアメディは“「生きる」を看る。”ぐるぐるモデルが全ての土台になっています。採用から育成・両立支援・評価・表彰・お客様満足・従業員満足・社内外のコミュニケーション…そして採用と、すべてを一気通貫させる考え方と制度をまとめているものです。

育成においては、修験道にならって日々の訪問を「里レーン」、社内体制での学びを「山レーン」と呼ぶ「YAMASATOシステム」のなかで専門性だけでなく人間性も磨きながら、成長していきます。OJTやラダー評価などもしっかりやりつつ、お互いに日々の学びや悩みもシェアして解決に導く、そしてまた現場に戻れるような研修体制をとっています。


ラダーを導入してよかったこと、見えてくる課題

宮地さん:ステーションでは、管理者とスタッフがラダーに沿って面談をする機会も増え、スタッフがいま仕事でどういうことを考えているか、どんな課題を抱えているかがわかりやすくなったと思います。

ラダーを通して技術や専門性を高めるだけではなく、失敗してもしんどいときでも「大丈夫!」と安心材料となるものを担保して働きがいに繋げていく、その結果自発的に自分が目指す看護ができるようになることが一番の教育になるのではないでしょうか。自分が目指す看護がわかる、そのきっかけとなるのは会社のビジョンがしっかりしていることも大きいと思っています。

岩本さん:ラダーを導入してみて、同じ方向をみながら話ができることは大きいです。これまでは、自分の主観や好き嫌いでフィードバックしているような気持ちも少なからずありました。WyLでは『オマハシステム』も導入していて、受け持ちの利用者さんや看護計画立案の傾向など、個人やチームとしてもデータをみることができるので、フィードバックにも使うことができます。WyLでは個人を評点して競わせることより、チームのパフォーマンスを大事にしています。

佐々木さん:WyLさんとソフィアメディでは事業戦略や規模の違いなどもありますが、ステーションのトータルの実践力としてラダーの平均をみるのは、一対一でお客様に対応する観点からするとすごく難しいな…と感じるところですね。

岩本さん:例えばですが、ラダーレベル5の人が10人いるチームになると最適かというと、どうでしょうか。どちらかに偏りがあるのも望ましくないのではないか、チームやサービスとして結果、利用者さんの不利益になるのではないかと考えることもあります。構成、バランスが大事ではないかと。そもそも、全員がラダーをあげなきゃいけないのか、とも考えます。利用者さんや家族がいてケアを提供することが大前提なので、ケアの実践として足りていない部分を勉強するのは、臨床教育の基本だと思っています。ただ、訪問看護を楽しみたい、ベッドサイドでケアを続けていくことが一番だと思ってくれる看護師さんもいるかもしれないので、それも大事にしたいと思っています。

宮地さん:そうですね。看護は相乗効果だと思いますので、私が訪問に行ったときと新人さんが行ったときのお客様の反応はそれぞれに違うはずで、どちらがいいとは言えません。そこは多様な看護があるのではないでしょうか。お客様も看護師のことを親のようにみている方も、同志のように見ている方もいらっしゃるでしょうし、ラダーレベルが高いから良いわけではないと思います。

ただ、ラダーを高めるためだけではなく、臨床の質や働きやすさ等を加味して教育ができるような教育者教育の課題も見えてきますよね。

中川さん:みなさま、ありがとうございます。在宅医療は答えがないなか、実践を後押ししてあげられるような材料が、あまりにも少ないことも課題です。そのなかでラダー等の導入は、どこでも真似できるひとつの指標として大事であるとあらためて感じました。

一方で、ラダーを導入したから、オンライン研修を導入したから、と新たな取組を導入するだけではなく、それぞれのステーションの課題に向き合い、それらがどのような効果を得て、どのように改善していくと在宅医療の質が向上し、スタッフが働きやすくなるのかを常に見据えていけるとよいですね。

2月8日(火)の対談・セミナーでは、さらに具体的な教育体制についてお送りしたいと思います。


イベントタイトル:訪問看護ステーションにおける教育体制整備について‐ラダー整備やOJTの仕組みについて‐
日時:2022年2月8日(火)18:30~20:00
方法:オンライン開催(Zoom)
参加費用:無料
申し込み:こちらからお願いいたします

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・WyL株式会社:教育・プログラム
・ソフィアメディ株式会社:研修・キャリア
・滋賀県 訪問看護協会:訪問看護師 ステップアップシート